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コラム

9|不動産ビジネス考察コラム 2.大阪市内オフィス賃料の変遷3:経済事象と賃料変動の連動性

未来への起爆剤か一時的な熱狂か ~大阪・関西万博、IR構想がオフィス賃料に与えるインパクト~

前回は金融危機やアベノミクスといったマクロ経済事象が大阪のオフィス賃料に与えた影響を考察しました。今回は、現在開催中の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)や、誘致が進むIR(統合型リゾート)構想といった、大阪の都市スケールで展開される大規模イベントが、オフィス市場、特に賃料にどのような期待と影響をもたらすのか、あるいはもたらしてきたのかを見ていきます。これらのメガプロジェクトは、大阪経済の新たな起爆剤として注目されています。

大阪・関西万博(2025年開催):開催中の熱気とオフィス市場への波及

2025年4月に開幕し、現在まさに多くの来場者で賑わっている大阪・関西万博。
その開催は、準備期間から現在に至るまで大阪のオフィス市場にも様々な影響を与えています。

準備・運営に伴うオフィス需要の創出

万博の企画、設計、建設、運営に関わる国内外の多数の企業が、大阪に一時的な拠点やプロジェクトオフィスを開設・増床する動きが見られました。
特に会場となる夢洲へのアクセスが良いベイエリアや交通の結節点である梅田、新大阪、本町といったエリアでは、関連企業のオフィス需要が市場を下支えし、一部では賃料の上昇圧力となる場面もありました。

関連産業への波及効果

建設業、輸送業、サービス業、IT関連、広告・PR業など、万博に関連する幅広い産業でビジネスチャンスが生まれ、これらの企業の事業拡大がオフィススペースの需要を喚起しました。

短期的な賃料と空室率への影響

特に万博開催が近づくにつれて、短期的なオフィス需要の増加や、それに伴う空室率の低下が一部のエリアやビルグレードで見られました。
ハイスペックなオフィスや、柔軟な契約が可能なサービスオフィスへの引き合いも強まったと言えます。


万博会期終了後、これらの短期的な需要がどう変化するか、そして夢洲の跡地利用計画が大阪の新たなビジネス拠点として機能していくかどうかが、今後のオフィス市場への長期的な影響を見極める上で重要となります。
会場アクセス改善のために整備された交通インフラは、ベイエリアの価値を長期的に高める可能性を秘めています。

 

IR(統合型リゾート)構想:将来への期待と不確実性

大阪府・市は、夢洲へのIR誘致を進めており、実現すれば国際会議場(MICE施設)、大規模ホテル、エンターテイメント施設、そしてカジノを含む統合型リゾートが誕生することになります。

期待される経済効果とオフィス需要

IRが実現した場合、運営事業者自身や関連するサービスを提供する国内外の多様な企業の進出が見込まれ、新たなオフィス需要を生み出すと期待されています。
特に、国際的なビジネス交流の拠点としてのMICE機能は、関連する企業のオフィスニーズを高める可能性があります。

賃料への影響と市場の反応

 現時点では、IR構想はオフィス市場にとって将来的なポジティブ要因として認識されていますが、計画の具体的な進捗状況や開業後の運営実績によって、その影響度合いは大きく変動します。
期待感が先行する一方で、実現までの期間や社会情勢の変化といった不確実性も市場関係者は注視しています。

 

大規模イベントがオフィス市場に与える影響のパターン

過去の国内外の事例を見ると、大規模イベントがオフィス市場に与える影響にはいくつかの共通したパターンが見られます。

  1. 期待先行期

     開催決定や計画具体化に伴い将来の需要増を見込んだ投資や関連企業の進出検討が始まり、一部で賃料上昇への期待感が高まります。

  2. 準備・開催期

     関連する直接的なオフィス需要が発生し、空室率の低下や短期的な賃料上昇が見られることがあります。

  3. イベント終了後

    一時的な需要が剥落し、市場が調整局面に入るリスクがあります。
    一方で、イベントを契機としたインフラ整備や都市ブランドの向上が長期的なエリア価値を高め、持続的なオフィス需要に繋がるケースもあります。

重要なのは、イベントを一過性のものに終わらせず、そのレガシーをいかに都市の持続的な発展に結び付けられるかという点です。

 

SMG貸し会議室の視点:イベントが生み出す多様なビジネス機会

大阪・関西万博の開催期間中はもちろん、将来的にIRが実現した場合にも、国内外から多くのビジネスパーソンが大阪を訪れ、商談、会議、セミナー、視察といった多様な活動を行うことが予想されます。
SMG貸し会議室は、大阪市内の主要エリアに複数の拠点を持ち、こうした大規模イベントに伴う様々な規模・目的のミーティングスペース需要に、柔軟かつ高品質なサービスで対応しています。
イベント関連の短期プロジェクトチームのためのサテライトオフィスとしての利用も考えられます。

 

まとめ:期待と冷静な分析で未来の市場を見据える

大阪・関西万博やIR構想といった大規模イベントは、大阪のオフィス市場に大きな期待感をもたらし、実際に短期的な需要を喚起しています。
しかし、その効果が持続的なものとなるか、賃料水準にどのような中長期的な影響を与えるかは、イベント自体の成否、その後の都市戦略、そして国内外の経済情勢など、多くの要因によって左右されます。

期待感に沸き立つだけでなく、冷静な分析と将来を見据えた戦略が、不動産ビジネスにおいては不可欠と言えるでしょう。

次回は、「近年の賃料トレンドと今後の予測」と題し、コロナ禍を経た大阪オフィス市場の現状と今後の賃料動向について考察します。

 

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SMG貸し会議室は大阪の主要エリアに複数の会場を展開しており、どの会場も駅からのアクセスは抜群。四ツ橋の「サンワールドビル会場」や「近商ビル会場」、本町の「カーニープレイス会場」、梅田の「東梅田セミナールーム」、そしてJR福島の「福島セミナールーム」など、目的や人数に合わせて最適な会場をお選びいただけます。

研修やセミナーはもちろん、Web会議や懇親会、アイドルイベント、さらには展示会まで、多様なシーンでご利用可能です。
ぜひ、SMG貸し会議室で、皆さまのイベントを成功させてください。

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