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コラム

9｜不動産ビジネス考察コラム３．コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察4：今後の賃料動向予測

オフィス選びの新基準「質」への意識が生む市場の二極化と賃料の行方

前回のコラムでは、コロナ禍を経たオフィス回帰の動きと、企業が模索するハイブリッドワークの最適点について考察しました。こうした働き方の変化は、企業がオフィスを選ぶ際の基準をより厳しくし、「良質なオフィス」への選別傾向を強めています。この動きが大阪のオフィス市場に「二極化」という現象をもたらし、今後の賃料動向にも大きな影響を与えようとしています。

企業が求める「良質なオフィス」とは？変化する価値基準

かつては立地や賃料といった要素がオフィス選びの主軸でしたが、現在企業が求める「良質なオフィス」の基準はより多岐にわたっています。

快適性と機能性の高度化

安定したインターネット環境や質の高いWeb会議設備はもちろんのこと、従業員が集中したり逆にリラックスしたりできる多様な執務空間、柔軟なレイアウト変更が可能な設計などが求められます。
大阪の企業においても、自然光を取り入れやすい、換気が良いといった従業員の健康やウェルビーイングに配慮したオフィス環境への関心が高まっています。

安全性と事業継続性

耐震性能の高さや、非常時の電源確保といったBCP（事業継続計画）への対応力も重要な選定基準の一つです。

立地と周辺環境の魅力

交通アクセスが良いことは依然として重要ですが、それに加えて周辺に多様な飲食店や商業施設、クリニックなどがあり、従業員が働きやすい環境であることも重視されます。

付加価値の高い共用施設やサービス

デザイン性の高いエントランスやラウンジ、ビル内に設けられたカフェやフィットネスジム、あるいは環境認証（LEEDやCASBEEなど）の取得といった要素も企業イメージの向上や従業員満足度という観点から評価されます。

なぜ今「良質なオフィス」への選別が加速するのか

企業がオフィスに「質」を求める背景には、以下のような理由があります。

人材獲得競争とエンゲージメント向上

魅力的なオフィス環境は優秀な人材を採用し、つなぎとめるための重要な武器となります。
また、従業員の満足度や組織への帰属意識を高める効果も期待されます。

生産性と創造性の最大化

快適で機能的なオフィスは従業員の集中力や創造性を引き出し、組織全体の生産性向上に貢献します。

企業ブランドの体現

オフィスは、社内外に対して企業の価値観や姿勢を発信する「顔」としての役割を担います。

ハイブリッドワーク下での「集まる意味」の追求

リモートワークが可能な業務が増えたからこそ、従業員が出社する際にはオフィスでしか得られない質の高い体験や環境、そして対面での密なコミュニケーションが求められるのです。

オフィス市場の「二極化」：選ばれるビルとそうでないビル

このような企業の選別傾向は、大阪のオフィス市場においても「二極化」という現象を顕著にしています。

「良質なオフィス」の状況

上記のような新しいニーズに応えることができる新築ビルや大規模リノベーションが施された高機能なオフィスビルは、依然として企業からの引き合いが強く、空室率も低い水準で推移しています。
賃料も比較的高水準で安定、あるいは一部では上昇傾向も見られます。
特に大阪の梅田うめきたエリアのような再開発地区や淀屋橋・本町といった伝統的なビジネス中心地にある最新鋭のビルが、この市場を牽引しています。

その他のオフィスの状況

一方で、築年数が古く現代のオフィスニーズに対応しきれない設備や間取りのビルは、テナントの確保に苦戦し、空室の長期化や賃料の下落圧力に直面しています。
こうしたビルでは、思い切ったリノベーションや、場合によっては用途転換といった再生策が求められています。

この二極化の進行は、大阪オフィス市場全体の平均賃料といった指標だけでは見えにくい市場構造の質的な変化を示唆しています。

二極化が今後のオフィス賃料に与える影響

今後、大阪のオフィス賃料はこの二極化を背景に、より物件ごとの格差が拡大していく可能性があります。
良質なオフィスへの需要は底堅く賃料も安定的に推移すると予想される一方、競争力の低いオフィスは賃料水準の維持がますます難しくなるでしょう。
テナント企業は単にコストを抑えるだけでなく、自社の事業戦略や働き方に本当に合致する「価値あるオフィス」を、よりシビアに見極めていくことになります。

SMG貸し会議室の視点：企業の「質」への要求に応える外部リソース

企業が自社オフィスの「質」にこだわり最適化を進める中で、全ての機能を自社内に抱え込む必要性は薄れています。
例えば、日常的な執務スペースは効率化しつつも重要な会議や研修あるいは大人数でのイベントなど特定の目的のために高い質が求められる空間は、SMG貸し会議室のような外部の専門施設を利用するという選択肢が、より合理的かつ効果的になってきています。
私たちは大阪の多様なビジネスシーンにおいて企業が求める「質」の高い集いの場を提供することで、そのオフィス戦略を柔軟にサポートします。

まとめ：オフィスの「価値」が問われる時代へ

コロナ禍を経たオフィス市場では企業によるオフィス選別の目が一層厳しくなり、良質な空間への需要集中と市場の二極化という流れは今後も継続すると考えられます。
これは、オフィス賃料の動向を予測する上で極めて重要な視点であり、不動産オーナーにとってもテナント企業にとってもオフィスの真の「価値」とは何かを問い直し、新たな戦略を構築していくことが求められる時代と言えるでしょう。

これで「コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察」の章は終了となります。

次回は、新たな章に進みます。

貸し会議室ビジネスという選択肢
大阪での情報交換・提携のご相談はSMG貸し会議室へ

本コラムでご紹介したように不動産ビジネスには多様な可能性があります。
私たちが専門とする「貸し会議室ビジネス」も時代のニーズを捉えた有望な選択肢の一つです。

新たな不動産ビジネスへの参入をご検討中の方、あるいは事業計画の策定や情報交換、提携交渉の場をお探しでしたらぜひ私たちSMG貸し会議室にご相談ください。

大阪の主要ビジネスエリアに複数拠点を展開し、地域のビジネスニーズを深く理解する私たちだからこそご提供できる情報やサポートがあります。
皆様の新たな挑戦における最適なパートナーとなれましたら幸いです。

会場一覧：https://osaka-conference.com/rental/

会場の特徴：https://osaka-conference.com/characteristic/

SMG貸し会議室は、四ツ橋、本町、梅田、福島といった大阪の主要駅近くにアクセス抜群の会場を多数（24名/38名/45名/60名/90名）ご用意しております。
ビジネスの重要な局面で必要となる「場」の提供を通じ、皆様の成功を力強くバックアップいたします。

コラムカテゴリ一覧

1｜失敗しない！貸し会議室選びで確認すべきポイント 1 ｜貸し会議室選びのポイント

１．探し方のコツ

２．選び方の基準とチェックリスト

３．予約～利用開始までのステップ

４．利用中の注意点とマナー

５．利用後の確認と原状回復

６．よくある疑問・不安解消Q&A

７．貸し会議室を運営している様々な運営母体

８．SMG貸し会議室が運営する変わり種の会場

2｜イベント主催者のための成功ノウハウ完全ガイド 2｜イベント成功ノウハウ

１．準備編1【目的設定の重要性】

１．準備編2【参加者を知る】

１．準備編3【アジェンダ・プログラム作成の技術】

１．準備編4【予算とスケジューリング】

２．会場と設営の効果1【会場選びの視点】

２．会場と設営の効果2【効果を高める会場設営の工夫】

２．会場と設営の効果3【設備・備品の賢い活用法】

３．当日の運営とファシリテーションのスキル1【タイムマネジメント実践術】

３．当日の運営とファシリテーションのスキル2【会議の進め方】

３．当日の運営とファシリテーションのスキル3【聞き手を惹きつける話し方・プレゼンテーション】

３．当日の運営とファシリテーションのスキル4【分かりやすい資料作成のコツ】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ1【セミナー・研修】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ2【面接を成功に導く】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ3【懇親会・交流会】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ4【展示会・説明会】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ5【ワークショップ】

４．会議・イベント成功のための応用ノウハウ6【ブレストミーティング】

５．成果測定と次への繋げ方1【効果測定】

５．成果測定と次への繋げ方2【フォローアップ】

3｜働く場所・スタイル 3｜働き方と「場」

第1章．多様化する働き方の現在地を知る

第2章．リモート時代のチームワークと話し方

第3章．集中力と生産性を引き出す働く場所の選び方

第4章：新しい働き方を支える空間デザインとテクノロジー

第5章：多様な働き方でキャリアを切り拓くビジネススキル

第6章：働き方の未来とレンタルスペースの可能性

4｜大阪市内のエリア情報 4｜大阪市内のエリア情報

１．SMG貸し会議室が”ある”エリア

２．貸し会議室が”ない”エリア

３．エリアから見た会場選びのコツ

４．大阪の都市開発と不動産価値の未来予測

5｜貸し会議室の多様な利用シーン 5｜貸し会議室の利用シーン

１．利用シーン毎

２．利用シーン別の主催者目線

３．貸し会議室の多様化する様々な利用シーン

7｜貸し会議室ヒストリー 7｜貸し会議室ヒストリー

１．年代別の変遷

２．歴史的背景別の変遷

8｜イベント主催者様お役立ち情報 8｜イベント主催者様お役立ち情報

１．最強組織の設計図　リーダーのための成長チーム構築論

２．最強組織の設計図　超実践編！綺麗事だけでは組織は作れない

３．最強組織の設計図　失敗事例から学ぶリアルなケーススタディ集

４．リーダーの駆け込み寺1　初期・古参メンバーとの関係

４．リーダーの駆け込み寺2　人間関係のトラブル

４．リーダーの駆け込み寺3　組織運営

４．リーダーの駆け込み寺4　リーダー自身の悩み

４．リーダーの駆け込み寺5　資金・収益化

４．リーダーの駆け込み寺6　外部との関係・将来性

9｜不動産ビジネス考察コラム 9｜不動産ビジネス考察コラム

１．有休スペース活用ビジネスモデルの考察1：なぜ有休スペースが注目されるのか

１．有休スペース活用ビジネスモデルの考察2：多様なビジネスモデル事例紹介

１．有休スペース活用ビジネスモデルの考察3：事業化のポイント

１．有休スペース活用ビジネスモデルの考察4：今後の展望

２．大阪市内オフィス賃料の変遷1：市場の歴史的概観

２．大阪市内オフィス賃料の変遷2：主要ビジネスエリアの賃料動向

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２．大阪市内オフィス賃料の変遷4：近年の賃料トレンドと今後の予測

３．コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察1：構造的変化

３．コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察2：オフィス需要の現状

３．コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察3：賃料相場

３．コロナ禍後の実態経済と賃料相場との乖離についての考察4：今後の賃料動向予測

４．サブリース事業そもそもの功罪1：仕組みと契約形態の基礎知識

> サブリースの基本：マスターリース契約とサブリース契約の決定的な違い

４．サブリース事業そもそもの功罪2：メリットと活用場面

４．サブリース事業そもそもの功罪3：デメリットと潜在的リスク

10｜色々なビジネスモデル考察 10｜色々なビジネスモデル考察

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２．「会員制・コミュニティモデル」構築バイブル

３．1人でも始められる「BtoBニッチ代行モデル」の教科書

> あなたの「得意」が企業の武器になるBtoBニッチ代行ビジネス

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11｜セルフ式貸し会議室のあるある 11｜セルフ式貸し会議室のあるある

１．プロジェクター・トラブルの困ったを解決！

２．設備トラブルと解決策

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12｜大阪の貸し会議室選び徹底比較！ 12｜大阪の貸し会議室選び

１．料金・コスト

15｜貸し会議室選びに役立つ街のイメージと魅力 15｜貸し会議室選びに役立つ魅力

１．梅田エリアについての考察

17｜よくある質問集　SMG貸し会議室 17｜よくある質問集　SMG貸会議室

１．予約・料金・キャンセルに関するご質問

２．設備・備品・技術に関するご質問

３．ご利用時間のルールとマナー

４．特殊なご利用・その他について

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